
ALFA ROMEO SZ 納車整備
1994年新規登録のALFA SZの納車前整備を行います。この車両は他社にてメンテナンスを行ってこられた個体ですが縁あって次のオーナー様への引き継ぎをさせていただく事となりました。引き継ぐバトンを我々のエラーで落としてしまわぬように心を込めて整備させていただきます。
LUSSO創設以来このES30に関しましては真剣に取り組んできており、これまでに積み上げてきた整備に関するノウハウやデータに関してはそれなりに自信もございます。整備を行う前の内容確認や進行スケジュールに関しても入念に打ち合わせをして作業に取り掛かります。
これまでの整備履歴を内容確認し実際に行われていた作業かどうかの確認をおよそ2時間ほどした後に交換部品の取り外しから始まります。
![]()
こうして確認してみると交換を予定していなかったパーツが意外に増えてくる事が良くあります。自社管理車輌以外の整備の怖さがここにあります。このエアフィルターは前回の整備(6か月前)に交換された記録がありました。
![]()
最近のクルマたちではみかけなくなったデストリビューターの画像です。
点火系の肝となる分配機です。ここに関してのトラブルは中のローターがすり減り正常な点火タイミングが狂い吹け上がりがおかしくなったり、水の侵入により始動できない状況に陥ったりします。必ず確認する重要なポイントと言えます。
![]()
新車時より交換された形跡がないという現場での判断に基づき予防整備の一環として交換をしたデスビローターの画像。
点火系の仕上げはスパークプラグの交換で締めくくります。
![]()
今までに何度も泣かされてきた各リレー。この交換を怠ったが為に深夜の伊勢神宮に参拝に行く羽目になった事もあります。燃料から車高調整のコントロールを司るリレーは全てこの機会に交換致します。
ES30の最大の弱点のように言われ続けているブレーキキャリパーはブレンボ社製の物に、そして径を大きくしたスリット入りローターに換装されています。ローター保護の為に早めのパッド交換を行います。その際にはローター研磨も行います。
![]()
ドディオンの中心に位置する、ワッツリンクのブッシュのガタを確認しております。当然交換となります。
更にこのセンターにあるブッシュを打ちかえます。
見た目以上に実は劣化しているパーツがブッシュです。新品と交換部品の見比べはそれでもはっきりと違いを見てとれます。
ラジエターもLUSSOでは消耗品としてとらえ、入庫ごとに状態確認する重要チェックポイントとなります。この個体ではお決まりのかしめ部分から少量の滲みを確認し交換となりました。納車前に予防できる個所を徹底的にチェックし状況判断を行う事が我々の納車前整備に対する心構えであり、プライドでもあります。
そしてさらに発見されたオルタネーターの僅かな劣化。ここにもこれまでに蓄積してきた整備データが生かされるのです。基準値だけではない経験値というメーターとデータに引っかかった数字を見逃すことはできません。
常に取り扱い車種の重要交換部品はストックしている事が作業を滞らせる事無く進めていきます。無ければ待ち時間が発生するオルタネーターは各モデルごとに常備していたりします。
当初の計画にはない整備の追加は可能な限り時間を延ばさないように努力しております。
純正よりも少し重いですが良く冷え、ライフも圧倒的に長い真鍮製のオリジナルラジエター。
この交換は追加作業となりました。
完成に近付いてきたエンジンルーム前部の画像です。交換部品が新しく見えます。
ローター研磨後の画像です。純正のキャリパーが効かないと言われますが、踏み方によってその感覚は大きく違うようにも感じます。個人的には絶対制動力は確かに低いと思いますが乗り方を受け入れれば充分に効くと感じております。この換装が絶対だとは思いません。(E-wayama)
一晩で完成という訳ではございませんが、この内容であれば2日間での作業となります。この後にボディにある気泡の処理を塗装する事で対応させていただき納車を迎える準備が完了いたします。
SZのコンディション作りは我々だけで作れるものではなく、オーナーとなった方々の熱意や思い入れがそのエネルギーとなるのです。こうして整備をさせていただく度にSZの持つ不思議なオーラとアルファロメオがこのモデルに注ぎ込んだ想いを感じる瞬間を何度も味わいます。
![]()




コメントする