
PORSCHE 930 エンジンO/H 〜後編〜
「PORSCHE 930 エンジンO/H 〜中編〜」の続きです。
ガスケットを装着してからタペットカバーを装着していきます。
オイルホースはかしめ部からのオイル漏れを修理して繋ぎました。
冷却ファンにオルタネーターを装着し、ファンハウジングも固定します。
オルタネーターを装着し、導風板を被せました。
この導風板があるため、
ファンベルトが回ることによって送り込まれる空気が
シリンダーフィンに効率的に当たるわけです。
ファンベルトを張り、配線を繋いでいきます。
タイミングチェーンカバーを被せました。
ミッション側にオイルクーラーを装着しました。
ファンベルトが回ることによって送り込まれる空気を
オイルクーラーに導くためのカバー(アイボリー色の樹脂パーツがそれ)も装着しました。
エキゾーストマニホールド、ヒートエクスチェンジャー、リアマフラーは
シルバーでペイントして仕上げました。
エキゾーストマニホールド、ヒートエクスチェンジャーを装着し
エンジンはほぼ完成しました。
インプットシャフトのシールが劣化しており、
ギアオイルが漏れていたミッションのオーバーホールに取り掛かります。
新しめの年式の911のミッション(G50ミッション)の場合は
このシールを簡単に換えることができるのですが、
このぐらいの年式の911のミッション(915タイプミッション)では
ミッションケースを開け、中からしか換えることができません。
よってミッションをオーバーホールする必要があります。
ポルシェのミッションの脱着には多くのSST(車種別専用工具)が必要になります。
その数はエンジン用のそれより多いかもしれません。
整備工場の技術力とはまた別で、必要なSSTを持っているかどうかが
良い工場かどうかを判断する基準のひとつになります。
このようにギアオイルが漏れていました。
ミッションケースカバーを外したところ。
5速とリバースのギアが見えています。
全てのギアが外れました。
ミッションケースからこれだけのものを外しました。
上の長い棒がインプットシャフト。
ミッションケースとインプットシャフトの間を埋める役割を担うのがインプットシャフトシール。
インプットシャフトの右の方にシールが付くわけです。
新品のインプットシャフトシール(中心の黒いゴムパーツがそれ)を装着しました。
元通りに組み付けたミッションをエンジンと繋ぎ、ボディ下側から入れて固定します。
この後、リアマフラーも装着すれば完成です。
F様、大変お待たせ致しました。
旧き佳き時代の空冷フラットシックスをお楽しみください。
〜追記〜
今回、930のエンジンオーバーホール作業を見て感じたのは、
「なにを当たり前のことを…!?」と思われるかもしれませんが、
「993までのフラットシックスはやはり空冷だ」ということでした。
自動車専門誌を見ていますと、
「911の空冷エンジンはたくさんのエンジンオイルによって冷やされる。
空冷フラットシックスは実は油冷だ」などと書かれております。
そんなことを物知りげに書く彼らは
空冷911のエンジンオーバーホールを見たことがないのだと思います。
空冷フラットシックスの組み付け作業を見ていますと、
空冷フラットシックスというエンジンは
冷却ファンが回ることによって発生する空気の流れを
いかに効率良くシリンダーフィンへと導き、
いかに効率良く冷やすかを研究した結果のデザインであることが分かります。
そのための導風板の造形であり、補器類の配置なわけです。
改めてポルシェ社のエンジニアリングの素晴らしさに感銘を受けました。
そんなことを感じ、空冷のポルシェが欲しくなりました。
LUSSOで行われるメカニックitoの作業を見ていると
手前味噌ながら「この個体が欲しい」といつも感じます。
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